松浦尚子のワイン日記

サンク・センス代表取締役社長/ボルドー国立大学公認ワインテイスター

宇豆柱出雲大社と言えば縁結びの神様として、また日本で唯一、10月という神無月に、神在月(かみありづき)になるという、日本神話に欠かせない地としても知られています。その出雲大社で、ほんの数年前、西暦2000年に鎌倉時代初期の本殿を支えた、三本束ねの巨大な柱が発見されたこと、ご存知でしょうか?

昨年の春、私も久しぶりに出雲大社を訪れ、発掘された痕跡を見てあまりの大きさに驚きましたが、この新しくできる古代出雲歴史博物館の目玉として、境内から見つかった宇豆柱(うずばしら)が、展示されることになりました。博物館の場所は出雲大社の東隣、徒歩数分という好立地です。

神殿現在国宝となっている出雲大社の本殿は、高さが24mありますが、この巨大な柱は当時48mあったと考えられています。その高さ、想像できますか?まさに最も天に近いところに、出雲大社の神殿は建立され、神々しくそびえていたに違いありません。

当時の技術で、どのようにそのような大神殿を建設できたかには諸説あります。基本的には9本の巨大柱(一つの柱は三本の木から構成される)が支えています。数名の専門家の方々の考えをもとに、複数の復元模型が展示され、大変興味深いものです。

私は、出雲の地から程近い、島根県の県庁所在地松江市の生まれです。よく鳥取県や松山市?と間違えられながらも(笑)、他にはない島根のよさをより多くの方々に知ってもらいたいと思っています。2年ほど前に、山陰中央新報という地元新聞に取り上げてもらったことをきっかけに、「島根マインドの会」や「島根県ジャーナリストクラブ」の会合にも出席し、故郷を同じくする諸先輩方と、気さくに楽しくお話をいただいています。

館長さんとそんな中、ちょうど3月上旬に所用があり私が島根に戻るというので、特別なお取り計らいをいただき、OPEN前の博物館を見学させてもらうことができました。出迎えてくださったのは、金築孝館長さん。出雲大社そして同地の歴史の奥深さを分かりやすい説明で、情熱的に生き生きと教えてくださいました。

博物館のもう一つの目玉は、荒神谷(こうじんだに)遺跡から1984年に出土された、358本の銅剣です。これだけの数の銅剣が美しく並べられている様は、あっと目を奪荒神谷遺跡われ、しばし眺め入ってしまうほどです。同時に銅矛、銅鐸も発見され、当時の新聞紙面をにぎわせました。島根県は日本を代表する青銅器の国であり、弥生時代にいかにこれらの青銅器が珍重され、大切にされていたかというのが、丁寧に収められていた様子からもうかがえます。館長さんに言われて銅鐸をよく見てみると、トンボや海ガメ、シカなどの模様がはっきりとあり、古代の人々が自然と共生し、動植物などにも強い興味や洞察力を持っていたことが分かります。(写真は博物館からほど近いところにある、荒神谷遺跡より。こちらも見学できます)

その他にも、出雲の国の風土記の世界を垣間見るコーナーや、神話シアター、特別展まで本当に盛りだくさん。有名な建築家の方がデザインした、緑豊かで心地よい空間自体も必見です。

神話の世界が本当に今月の開館を記念して展示される特別展は、伊勢神宮や春日大社、祇園八坂神社など日本中の由緒あるところから、1100点もの出品があり、所狭しと飾られています。至上最大規模でもあり、「出雲大社に関わるお祝いならばお貸し出しいたします」と出された、門外不出の国宝や重要文化財もあります。(左は常設展から。土器に出雲の神殿が描かれたものが展示してあります)

「知られざる神々の美の世界」が眼前に広がる博物館、駆け足でしたが、約2時間の見学を終えて、ぜひ多くの方に足を運んでもらいたい、素晴らしい見応えのある博物館だと思いました。出雲空港からも大変アクセスがよい所ですから、どうぞこの機会にお越しになってください。あ、出雲そばを味わうのも忘れずに!