松浦尚子のワイン日記

サンク・センス代表取締役社長/ボルドー国立大学公認ワインテイスター

貝殻亭2千葉県八千代市に、知る人ぞ知る本格フレンチレストラン「貝殻亭」があります。今回、オーナーよりお招きを受けて、視察兼ディナーに赴いて参りました。都内からだと最寄の京成電鉄 勝田台駅まで田町からは小1時間掛かりますが、週末にドライブも兼ねてゆったりと時間を掛けて訪れるのにはぴったりの雰囲気でした。

貝殻亭はすでに25年以上の歴史を誇る名店で、昔からのおなじみの方も多いということですが、魅力はレストランだけではありません。現在は、緑豊かな5000坪の上総の森に、4棟のヨーロピアンスタイルの建物が並び、こだわりの夢空間が自然の森の中の小路に創出されています。また、看板一つ、並べてあるちょっとした置物、植物一つとっても随所にこだわりのある、見応えある空間になっています。

特に見ものは、ナニワイバラ(難波薔薇)。建物を覆いつくす薔薇の大株で、4月中旬に開花し約1ヶ月楽しめるそうで、純白の薔薇を見に観光バスも立ち寄るほどだそうです。多くの人が賑わう絶好のシーズンには、結婚式やイベントが開催され、多くの人が集う場としても知られています。

貝殻亭貝殻亭の中に一歩足を踏み入れて驚くのは、一枚板の晩餐用大テーブル。なんと9メートルにもなり、息を呑む素晴らしさです。26名のお客様が一つのテーブルを囲めるという少し日本人離れした発想とそのゴージャスさには、かの岡本太郎氏も魅せられたとのこと。また、壁に飾られた大きな絵画は、地元で活躍をされている画家の方のものでした。

少し別の建物もご紹介すると、コート・ダジュールの気分をそのまま味わえる雰囲気を持ったケーキ屋さんや、四国松山の有名な焼き物「砥部焼き」の窯元から直送で取り寄せたというこだわりの陶器を販売するお店もあります。さらに、喫茶・軽食ができる別の建物もあり、カフェで気楽にお茶をするのも、陶器ギャラリーで目を肥やすのも、御祝いの日に奮発して貝殻亭で本格ディナーを楽しむのもよし、と大変バラエティー豊か。これがリゾートと呼ばれる由縁ですね。

ケーキお食事では、昨晩のディナーでいただいた、鴨のコンフィがイチオシでした。ジューシーで味わいが詰まっていました。フランスワインに加えて、オーナーさんがカリフォルニアで見つけていらした美味しいワインも堪能させていただき、大満喫の一夜となりました。
東京から少し足を伸ばせば、自然に囲まれ、その土地の魅力を十分にもった空間がある。これはとっても嬉しいことです。週末に是非足を伸ばしてください!