松浦尚子のワイン日記

サンク・センス代表取締役社長/ボルドー国立大学公認ワインテイスター

59-1雑誌、新聞、TVでも今、話題の伊勢丹新宿本店のサロン・ド・ショコラへ行って参りました。実は現在色々とコラボレーションさせてもらっている、ショコラティエ「パスカル・カフェ」さんご自身が来日、本日こちらのサロンでデモンストレーションをする、ということでお招きをいただいたのです。

朝11時30分からのセミナーは整理券を配り始めて瞬く間に売切れてしまったそうで、私がのんびり11時少し前に到着した時点では、会場はすでに身動きを取るのが大変なほどの賑わいでした。「日本の人って、そんなにショコラが好きだったのかしら?」ちなみに日本人の消費量はワイン同様、ヨーロッパのそれに比べるとかなり低く、1位のスイス9.94kgに対し日本は、1.7kgと17位。確かに、フランスでも、どの家庭のキッチンにも板チョコがストックしてあって、お腹がすいては一切れ、カフェを飲むといっては一切れ食べているのを見かけたっけ。
この「サロン・ド・ショコラ」はもともとフランス、パリで開催されていて、パリでは秋の10月下旬ごろに実施。今年でちょうど10周年目にあたり、出店数は世界中から150を越え、入場者は開催期間の5日間でなんと12万人を超える大規模な見本市になっているとか。そんなすごいイベントと同名を称する催しが東京で開かれている、それはもう目ざといスィーツファンがお集まりなのは当然かもしれません。伊勢丹では今年で2回目の開催。すでに全9カ国、55ブランドが一同に介しました。熱気は計り知れません。

さて、ようやく肝心のパスカル カフェさんのセミナーに話を移します(笑)。彼が本日手がけたのは、ショコラのオブジェ。下の写真をご覧ください。一時間で作ったのですが、でもそれは本当は不可能。球体や土台部分、タワーの部分などはすでにパスカルさんがフランスで鋳型に入れてかたどり、そのままなんと!スーツケースに入れて日本に運んできたとのこと。パスカルさんはショコラ職人のコンクール審査員も務める、フランス最優秀職人の一人です。本当のコンクールでは8時間を掛けて、全てを作っていくそうですが、本日のセミナーは時間が限られていたため、パーツを組み立てるところから始めて、エアブラシで色を幾層かに重ね、小球体や花びら型の飾りショコラを貼り付けるなど繊細かつ入念な仕上げを見せてくれました。

インスピレーションの赴くままに作るというとてもシュールな造形が、見る見る形になっていき、拍手喝采。熱狂さめやらぬ後、パスカルさんと話をしたら、実は、日本の観客があまりにも真面目な顔をして見ていて驚いた、と言っていました。セミナーの合間の楽しいジョークはリラックスした雰囲気を作り、茶目っ気のある人柄がにじみでた笑顔でサインをしていました。次回、フランスを訪れた際に必ず行きたいお店がまた増えてしまいました。

シャンパン&ショコラを勧めるうちに私もすっかりショコラの魅力にはまってしまいました。この季節、ふと気付くとショコラを食べてばかりです。

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